今や誰もが知っている言葉「地球温暖化」。私たちが日々大量のエネルギーを使用することによって現在も進行中です。地球温暖化が進めば海面上昇や異常気象、自然生態系の破壊などさまざまな影響が出てきます。これらを防ぐためには、私たち一人一人が省エネルギーに取り組むことが大切です。では私たちにできることとは具体的にどんなことでしょうか。普段から意識しているつもりでも、もう一度振り返って見ると、あまりできていなかったことや新しい発見があるかもしれません。こちらの記事では家庭・個人でできる地球温暖化対策、加えて国や企業が取り組む対策例についても解説していきます。
地球温暖化の現状と原因
【地球温暖化の現状】
まずは初めに地球温暖化の現状について見ていきましょう。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界の平均気温は産業革命前から1℃以上上昇していると公表しています。1℃と聞くとあまり大きい変化には聞こえないかもしれません。しかし、実際はたった1℃でも地球環境は非常に深刻な影響を受けるのです。
IPCCは、人類が気候変動を進めなければ10年に1回発生するような極端な猛暑が、気温が1.5℃上昇した場合は10年に約4回、2℃の場合は約5~6回に増えるおそれがあると指摘しています。たった0.5℃の違いでも及ぼす影響はこんなにも差があるのです。
【地球温暖化の原因】
地球温暖化の主な原因は私たちが日々排出する温室効果ガスです。産業革命以降化石燃料の使用が増え、電気や熱の生成のために多くのガスが排出されています。発電や森林伐採、輸送手段の使用、大量生産・大量消費など、さまざまな要因が私たちの未来を脅かしているのです。
家庭・個人でできる具体的な地球温暖化対策
では私たちにできる地球温暖化対策にはどんなものがあるでしょうか。
電気を使いすぎない
代表的な取り組みとして、エアコンの適切な温度設定、電気のつけっぱなしや水の出しっぱなしをしないことが挙げられます。これらは意識している人も多いのではないでしょうか。家庭から排出される二酸化炭素量で、照明・家電製品・冷暖房が占める割合は非常に大きいです。小さな取り組みに思えるかもしれませんが、毎日の省エネの積み重ねが地球温暖化対策に繋がります。
車の使用は必要最低限に
電車やバスは一度にたくさんの人を運ぶことができ、車で移動するよりも一人当たりの温室効果ガスの排出量を少なく抑えられます。また、自転車は化石燃料を使用せず、温室効果ガスを排出しないとってもクリーンな乗り物です。電車やバスで移動できる場合はそれらを使用し、近場への移動には自転車の使用や徒歩を心がけましょう。
一枚の服を長く着る
近年問題視されているのがファストファッションです。ファストファッションとは、トレンドの衣類を安価に大量生産し、短いサイクルで販売する業態のことを指します。その分廃棄も大量に出るため、地球温暖化の大きな要因となっているのです。服が製造されそして廃棄されるまで、グローバルに分業化された長く複雑なサプライチェーンが関わっています。そこから生まれる環境負荷はとても大きく、服一着あたりに換算するとCO2排出量は約25.5kgで、これは500mlペットボトル約255本分の製造にかかる排出量にあたります。また、一着あたりの水消費量は約2,300Lで、これは浴槽約11杯分です。
購入したのに着ていない服はないでしょうか。そしていらなくなった服をまとめて可燃ごみに出していないでしょうか。現在、衣類の約7割が再利用されずに廃棄されています。長く着れるものを選ぶ、古着を利用する、着なくなった服は家族や友人にあげたりリユースに出すなど、環境負荷を減らすために私たちにできるアクションはたくさんあります。
企業が取り組む地球温暖化対策
では次に企業が取り組んでいる地球温暖化対策についてみていきましょう。今やサステナブルを意識していない企業は存在しないと言っても過言ではありません。しかし、私たちが実際にそれを知ったり目にしたりする機会は少ないです。私たちがよく知る企業は一体どんな取り組みをしているのでしょうか。
【ユニクロの取り組み】
実はユニクロでは、ペットボトルから生成された糸を使用したリサイクルポリエステル素材が、様々な商品に使用されています。中には生地の100%がリサイクルポリエステル素材のものもあります。他にも、要らなくなった服の回収ボックスを設置して、リユース・リサイクルに回したり、難民キャンプなどへ寄贈したりしています。
【IKEAでの取り組み】
IKEAでも様々な取り組みがなされています。IKEAといえば日本でも人気の家具・インテリア雑貨販売店で、再生・リサイクル可能な材料が多く使用されています。実にその99.5%がFSC認証木材であり、気候変動の緩和に繋げています。また、店舗やオフィスを含めて再生可能エネルギー使用率100%を目標とし、多くの市場で達成中です。家具の買い取りサービスでは、イケア製品を循環させ、次の世代に受け継いでいくことでリユース、リサイクル、リデュースを促進させ、サステナブルな社会づくりに大きく貢献しています。
【TOYOTAでの取り組み】
日本を代表する自動車メーカーのトヨタ。世界に多くの工場を持っていますが、トヨタは2035年の工場カーボンニュートラル達成に向け、グローバルで様々な取り組みを行っています。例えば、インドに所有する工場で再生可能エネルギー電力導入100%を達成し、2014年から2022年3月にかけて28万トン以上のCO2を削減しました。他にも、ブラジルでは廃シートベルトをクルマの側面保護ネット材に再利用することで、廃棄物に新たな付加価値を持たせて別の新しい製品にアップグレードする「アップサイクル」に取り組んでいます。
【STARBUCKSでの取り組み】
紙ストローの使用が話題となったスターバックスでは、国内の店舗の電力を100%再生可能エネルギーに切り替えると発表、また、水の使用量や廃棄物を50%削減する目標を発表しています。再エネ、水、廃棄物の3つでカーボンニュートラルを目指しているのです。誰もが知る大企業が外食業界において先行して環境への取り組みを行うことで、これから脱炭素を目指そうとする企業の後押しになっています。
一人一人の行動が地球温暖化対策につながる
私たちが日々排出する温室効果ガスによって、地球温暖化は日々進行しています。家庭での省電力・節水や徒歩・自転車移動など、私たちが意識を変えることで排出削減に大きく繋がります。また、様々な企業で取り組まれている温暖化対策にも目を向け、私たちにも貢献できることはないか探してみましょう。