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太陽光発電の生産時におけるCO2の排出量とその回収までの考え方

太陽光発電といえば、発電時にCO2(二酸化炭素)が発生しないことから「エコな発電方法」として知られています。

しかし、実際は太陽光発電を生産するまでの過程において、多くのCO2を排出しています。
そのため運用方法によっては、太陽光発電を導入したにもかかわらず、逆にCO2の排出量が増加してしまう場合もあるのです。

この記事では、太陽光発電の生産時におけるCO2の排出量と、そこで排出した分のCO2を回収するまでの太陽光発電の運用について解説していきます。

太陽光発電を生産する際に発生する二酸化炭素

太陽光発電の製造の際に二酸化炭素を排出する場面は大きく以下の3点があげられます。

  • 原料の採掘と精製(レアメタルやガラスなど)
  • 工場でのパネル製造
  • 運搬、設置工事

 これらは生産される太陽光発電の構造や大きさによって大きく異なるため、太陽光発電の生産時のCO2排出量を言い表す際にはよく別な方法が用いられます。

それが、太陽光発電生産時のCO2排出量を、太陽光発電の一般的な寿命である30年間で発電できる総発電量を基準にして1kWh単位あたりのCO2排出量として求める方法です。

その方法を用いると、太陽光発電は、

17~48g-CO2/kWh

のCO2を排出していることになる計算となります。

これに対し、化石燃料を用いた火力発電は519〜975g-CO2/kWhとされているため、太陽光発電を活用することによりCO2排出量を大きく削減することができるということができます。

ただし、前述のように太陽光発電は生産時にCO2を排出してしまうことから、運用期間によってはその限りではありません。

それではいったいどの程度の期間、太陽光発電を運用することによりCO2削減量が排出量を上回るのでしょうか。

太陽光発電の設置で製造時に排出した二酸化炭素を取り戻すまでに必要な時間

電力の発電と二酸化炭素の排出について、「CO2ペイバックタイム(CO2PT)」という計算方法があります。
自然エネルギーの発電は、発電すればするだけ、二酸化炭素の削減が可能です。

つまり、一定期間運用すると、製造時に製造時に排出した二酸化炭素量と太陽光発電で二酸化炭素の排出を削減できた量が同じになるタイミングが来ます。
これを「ペイバックタイム」といいます。

この考え方は当然、燃料発電には存在しません。

太陽光発電のCO2ペイバックタイムですが、化石燃料に比べ太陽光発電で節約できる二酸化炭素排出量は1kWhあたり660グラムであることがわかっています。

よって、

CO2PT = 想定寿命 (30年) 電力量あたり排出量 / 電力量あたり削減量= 30 年× (17~48g) / 660g = 0.77 ~ 2.2 (年)

と計算されています。

つまり、約0.7年から2年の間、発電を続ければ、製造時の二酸化炭素排出量を帳消しできるのです。

ソーラーパネルの廃棄時はリサイクルが重要

ここまで、ソーラーパネル生産時から発電時のCO2排出量について触れてきましたが、ソーラーパネルも永久に使用できるものではなく劣化したら破棄する時が訪れます。

一般的なソーラーパネルは、ガラス約70%、アルミ約20%、銀や銅などの金属や化合物約10%で構成されています。

太陽光発電の普及とともにソーラーパネルのリサイクル技術も進化していると言われており、ソーラーパネルのうち、ガラスとアルミに該当する約90%はリサイクル可能となっております。

そのため、太陽光発電を運用するには破棄する際のリサイクルを視野に入れて、リサイクル費用を積み立てておくなどの対応が重要となります。 

まとめ

太陽光発電の設置はメリットだけでなく、デメリットも発生していることをおわかりいただけただけましたでしょうか。

また、そのデメリットを回収する為には、最低でも1年弱は太陽光発電を運用しなければなりません。
これから、「太陽光発電を導入する」ことや「今後導入を検討している」方のきっかけになれれば幸いです。

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