インサイト

エコ製品の開発と市場のニーズ

豪雨や気温上昇をはじめ、近年気候変動を体感する機会が多くなっているように感じます。
また、それに伴い様々な自然災害も頻発しています。こうした背景のもと、改めて「エコ」に関して注目が高まっています。
今回の記事を通じ、エコプロダクトやその市場について理解を深めていきましょう。

エコプロダクト

エコプロダクトとは

エコプロダクトとは、環境への負荷を最小限に抑えることを目的として設計・製造された製品のことです。
これらの商品は、資源の節約、エネルギー効率の向上、廃棄物の削減、リサイクル可能性の向上など、環境保護の観点からさまざまな工夫が施されています。
こうしたエコプロダクトは、EV自動車から衣服まで多様な製品において存在しており、その効果も様々です。
このような持続可能な商品に対する需要は拡大を続けており、WWFジャパンによると、2016~2021年までの間で全世界的に、その需要は71%増加したと言われています。
しかし日本では、持続可能性への関心は高まったものの、行動にまで移すことができていない人が大半であるように思います。
今回はこれからの行動の一助になるよう、エコ商品の具体例やその効果を扱いますので、ぜひ参考にしてください。

エコプロダクトの特徴と具体例について

電気自動車(EV)

エコプロダクトとして、電気自動車について見ておきましょう。
電気自動車(EV)は、内燃機関の代わりに電気モーターを使用して走行する車両です。EVは、バッテリーに蓄えられた電力を利用してモーターを駆動し、車を動かします。このEVについては、運輸部門に関してのCO2の排出量の削減が見込まれ、エコなプロダクトとして期待されています。
国土交通省の調査によれば、2020年度における日本の二酸化炭素の総排出量は10億4,400万トンで、運輸部門からの排出量は1億8,500万トンです。割合にすると全体の17.7%に当たります。この多量のCO2排出を減らすことができる可能性があるのがEVです。
しかし、EVにも一定の課題は存在します。電気自動車のライフサイクルは、主に原材料調達・製造・流通・廃棄という流れになりますが、議論になりうるのは内部に搭載する蓄電池の製造・廃棄時に発生するCO2です。EVを使用することにより走行時のCO2排出は抑制されるものの、ライフサイクルで見た時には製造や廃棄の部分で議論の余地があるのです。こうした点も踏まえ今後の動向を見ていく必要があります。

引用:環境省「自動車による排出量のバウンダリに係る論点について」

衣類・雑貨

次にエコに配慮した衣類・雑貨について見ていきます。
エコに配慮した衣服や雑貨に関する用語に「サステナブルファッション」というものがあります。これは、それら多くの製品が使用後に大きな環境負荷をともなって廃棄されている現状に対して、ただ闇雲に低価格で多くのものを購入し、短期間で廃棄することをやめ、循環型の社会を目指すために提唱されている概念です。
循環型モデルとは、例えば、企業側ではリサイクル素材の製品を用いたり、需要を適切に予測し必要以上の商品を作らないことなどが重要になります。こうした再使用・再利用可能な製品や廃棄しやすい商品などが、エコ衣類・雑貨です。製品例としては、プラスチックフリーなコップやお弁当箱といった商品が挙げられます。これらは自然にかえる素材のため、廃棄の際にかかる環境負荷を大きく軽減することが可能になります。

エシカル消費について

エシカル消費とは

次に、我々消費者とエコについて見ていきましょう。
エコと消費を考える際に重要なワードとして、「エシカル消費」というワードがあります。
エシカル消費とは、「自然・社会に配慮した商品を消費する活動」です。エシカル消費は、生活者がSDGsのために行動することを表し、持続可能な社会の構築を前進させる、非常に重要な手段であるといえます。消費活動は誰もが日常的に行う非常に身近な活動であるためであり、そのインパクトはとても大きいです。低炭素型の生活にすることや再生可能エネルギーを使用することによって、1 人当たり 1 年間で、約 4.4 トンの CO2 を削減できるとも言われています。
また、エシカル消費は SDGs と深いつながりがあります。エシカル消費は、抽象的な目標である SDGs を具現化したものであり、SDGs と通底しています。また、SDGs の全 17 の目標の中でも特に「目標 12:つくる責任つかう責任」をはじめとして、目標 1、2、3、7、13 の計 6 つの目標に直結しているとされており、これら 6 つの目標は各国において依然として課題の残る未達成の目標であるため、エシカル消費を浸透させることで、これらの目標の達成に寄与できると考えられています。

引用:消費者庁「エシカル消費とは」

消費者の行動変容のために

ここまでエシカル消費とその意義について見ていきましたが、実際のところ、エシカル消費のマーケットシェアはわずかです。
このエシカル消費を促進するためには、何が必要なのでしょうか。
消費者庁では、まずはその概念・必要性を普及させていくことが大切であると言われています。まずはエシカル消費について知ってもらい、その上で購買をそそるような商品のブランディングや、手に取りやすい価格設定を実現していくといったことが必要になるでしょう。

認証について

エコを進めるための認証とは

エコプロダクトの購入を進めるための施策として、環境ラベルの活用が行われています。
環境ラベルとは、環境負荷の低減に資するかを示すマークや目印で、製品や包装に付けられています。
有名なものでは「エコマーク」があり、これはドイツの「ブルーエンジェル」、北欧の「ノルディックスワン」などのように、第三者機関が定めた基準に沿って認証する、信頼できる環境ラベルです。
また、製品やサービスの環境負荷をLCAの定量データで示す、「CFPプログラム」や「エコリーフ」などの環境ラベル、地方自治体が選定する環境ラベルなど、さまざまなラベルが存在します。ここでは、代表的な環境ラベルであるエコマークについて紹介します。

環境ラベルについて

・エコマーク

エコマークは、そのライフサイクル全体で環境負荷が少ないと認められた製品・サービスの目印として用いられています。公益財団法人日本環境協会によって実施されており、国際標準化機構の規格ISO14020に則って運営されています。認定開始から35年が経過しており、50000以上の商品が認定されています。最も認知度の高いエコマークとなっており、みなさんもエコプロダクト購入の際の一つの基準として用いることができるでしょう。

まとめ

今回は主にエコプロダクトとその市場における消費ニーズについて扱いました。
環境問題やSDGsなどとといった大きな目標も私たち一人一人の行動から変化していきます。
今回のブログが少しでも皆様の行動の一助になりましたら幸いです。

関連記事

TOP